今回は新築ではなくオフィスの改装でお世話になりました。

過去にも何度かリフォームしたことがあるのですが、『在庫なかったから』と指定と違う壁紙が貼られたり、
フローリング工事で床下配管の点検窓が埋められてしまい、張ったばかりのフローリングに
穴をあけて点検窓を復元したり、新しく張った床に本棚を置いたらピサの斜塔のように傾いてしまい
床材をすべて剥がして廃棄。張った業者は『できない』と途中で投げ出してしまったり。。。　
ちょっと書き尽くせないくらいびっくりすることをいろいろ経験していました。

今回もハウスメーカーと半年に亘り交渉を続けたものの、契約直前で条件が折り合わずに破談。

信頼できる会社をどう探してよいものか途方に暮れていたところ、家内が木製ドアの画像検索をしていて
デリケートトゥールさんのＨＰに辿り着きました。

施工例などを拝見すると、まさに求めていたイメージにぴったり。どの施工例もオンリー・ワンな感じです。

ただ、エイジング技術などは写真ではなかなか伝わりません。中途半端なエイジングではテーマパークみたいに
なってしまう惧れがあります。早速、実物を拝見するため、会社訪問させていただきました。

デリケートトゥール本社兼住宅の建物は凄かったです。気分的には即決です。

ただし、問題は距離でした。東京の現場に職人さんを派遣してもらえるのかどうか。。。　
この段階では出戸社長もこちらの本気度をまだまだ計りかねていたと思います。

その後、お願いして出戸社長と気谷部長に東京に出張いただき、ようやくプロジェクトがスタートしました。

順番待ちで工事開始までに半年くらいかかりましたが、工事が始まると凄腕の職人さんが入れ替わり
やって来てすごい手際でどんどん仕上がっていきました。本当にドリーム・チームのようです。

住みながらの改装だったのでやりにくい面も多々あったのではないかと思います。本当にありがとうございました。

ＲＣの建物ですが、木や漆喰を多用しイメージ通りの仕上がりとなりました。

自分は古い建物や車が大好きですが、欧州に移住しない限り１００年以上前に建てられた洋館に住む
なんて夢は実現不可能です。現地の本物の旧い建築と比べるならあの凄いデリケートトゥール本社も、
今回やってもらったエイジングも偽物といえば偽物です。（出来が劣るとかそういうことではなくて
歴史的建造物は新しく造れないという意味で）

でも、日本で本物の旧い洋館に住むことなど適わぬ以上、そうしたヨーロピアンなテイストを追い求めるなら、
デリケートトゥールさんより優れたクオリティーのイミテーションを造れるビルダーは他にないのではないでしょうか。

偽物などと失礼なことを書いてしまいましたが、一方で、施工技術も木も漆喰も本物です。古くなった時に汚くなるもの、
捨てなければならないものは良いものではありません。古くなった時に味が出て、愛着が湧き、これからも
ずっと大切にしていきたいと思うようなものが良いものだと思っています。

２歳の息子もデリケートトゥールさんの作品の中で成長しながら、そうした良さが分かるようになって欲しいと思います。

最初に施工例を見た時の印象で、どの例もオンリー・ワンと書きました。工事を終えてみてその理由がよりよくわかりました。
大手ホームメーカーの家は、（いくつかの商品ライン、シリーズの違いはあっても）間取り以外はほぼ同じようなイメージに
なります。それに比べ、デリケートトゥールさんの施工例は、カントリーハウスあり、ログハウスあり本当に多彩で一つと
して同じものはありません。

これは施主の希望を十分に聴いたうえで、個々の施主の夢を形にしようと施主と一緒に創り上げているからなのだと思います。
ただ、施主は必ずしも建築のプロではありませんから、その希望を聴いたうえで、適切な提案をしてくれます。
ですから、どの家もとても個性的ながら、ディーテールを見るとやはりデリケートトゥールさんの特徴が垣間見えます。
（気谷部長のこの微妙な距離感はまさに職人技です）
そうして施主から新しい刺激を受け、エッセンスも吸収する中で、デリケートトゥールさん自身も日々進化しているのでしょう。

言いたい放題に我儘を言わせていただきましたし、工事中の仕様変更にも柔軟にご対応いただきました。
自分が手配した古材がサンプルとは違って、途中どんなことになるか不安になりましたが大工さん、
塗装屋さんの神業で最終的に満足のいく仕上がりにしていただきました。気谷部長には後半、週末を使って
毎週のように上京していただき、指揮を執っていただきました。

夢を実現していただき、本当に感謝しております。ありがとうございました。

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